めも理と窓太 登場人物紹介

　窓の杜高校、超パソコン部の部室。

　あらあら、めも理ちゃん。今日は部室にまだ顔を出していません。

　一体、何があったのでしょうか？

専門医

あれ、めも理ちゃん。今日は部室に来るのがいつもより遅いですね。 　何かあったのですか？

ちょっと病院に行ってきたのよ。

えっ、どこか悪いのですか？ 　頭とか？

違うわよ。 　目の調子が悪かったから総合病院に行ってきたのよ。 　そうしたら病院内の眼科へ行くように言われて、治療を受けていたというわけ。

そうだったのですか。

けっこう面倒だったわよ。 　病院って、どの科に行っても同じような気がするのに、病気の種類や、調子の悪い場所ごとに、担当のお医者さんが決まっているでしょう。 　だから受付で眼科に行くように指示されたの。

なるほど、なるほど。 　お医者さんは専門がそれぞれ決まっていますからね。 　これは“ファイルの関連付け”と同じですね。

ファイルの関連付け？

そうです。 　あれ、不思議そうな顔をしていますね。 　どうやら、めも理ちゃんはファイルの関連付けを知らなかったようですね。 　それでは詳しく説明することにいたしましょう。

ファイルの関連付け

めも理と窓太の4コマまんが 「ファイルの関連付け」

さて、めも理ちゃんに質問です。 　なぜ病院では、病気の種類ごとに担当のお医者さんが決まっているのですか？

それは、それぞれのお医者さんが、特定の病気を治す専門家だからだと思うわ。 　目の病気を治す専門家、皮膚の病気を治す専門家、鼻や喉の病気を治す専門家とか、お医者さんと一口に言っても、いろんな専門家がいるものね。 　だから総合病院に行くと、専門の先生のところに振り分けられるんだと思うわ。

そうですね。 　実はパソコンの世界でも、同じようなことが行われているのです。

同じようなこと？

病院では、病気の種類に合わせて専門のお医者さんが治療を担当しますよね。 　同じようにパソコンでは、ファイルの種類に合わせて、そのファイルを開くアプリケーションが決まっているのです。

ファイルの種類？

そうです。 　ファイルの名前の後ろには、拡張子がありますよね。その拡張子がファイルの種類を示しています。

あ、そういうことね。 　じゃあ、ファイルを開くアプリケーションが決まっている、というのはどういうこと？

例えば、使い始めたばかりのWindowsでファイルをダブルクリックすると、拡張子が“HTML”や“HTM”といったHTMLファイルは「Internet Explorer」で開き、拡張子が“TXT”のテキストファイルは「メモ帳」で開きますよね。

そうね。 　でも、それとファイルの関連付けがどう関係があるの？

いい質問です。 　病院の先生が、自分の専門分野の病気を治すことを仕事としているのと同じように、アプリケーションの多くは、自分が開けるファイルの形式がそれぞれ決まっているのです。

なるほど、言われてみればそうね。

このように、特定の拡張子のファイルをダブルクリックした際に、特定のアプリケーションで開くようになっていることを、ファイルの関連付けと呼んだり、ファイルが関連付けられているというのです。 　このファイルの関連付けは、Windowsが全て管理していて、ファイルとアプリケーションを結び付ける仕組みになっています。

そうだったんだ。

ファイルが関連付けられていると、ファイルをダブルクリックするだけで、そのファイルを目的のアプリケーションで開くことができるので便利ですよ。 　また、アプリケーション独自のファイル形式だと、それ以外のアプリケーションではそのファイルを開けないことが多いですから、ファイルの関連付けが重要なのです。

ふーん、なるほどね。 　でも窓太。私は今までWindowsを使っていて、ファイルの関連付けなんて意識したことがないんだけど。

そうですね。意識したことはないと思います。 　なぜなら、そこには秘密があるからです。

秘密？　どんな秘密なの？

Windowsでは多くの場合、アプリケーションをインストールするときに、特定の拡張子をそのアプリケーションに関連付けるよう、インストーラーがWindowsの設定を書き換えているのです。 　あとはその拡張子のファイルをダブルクリックするだけ、Windowsが自動で該当のアプリケーションを起動して、そのアプリケーションでファイルを開いてくれます。 　だから、めも理ちゃんが気にしなくても大丈夫なようになっているのです。

なるほど、そんな頭のよい仕組みになっていたの！ 　それなら気にしたことがないはずだわ！

そうでしょう。

ねえ、窓太。 　ちょっと思ったんだけど、このアプリケーションとファイルの関連付けは、自分で変更することもできるの？

鋭いですね。実はできます。 　各種アプリケーションをインストールしたあとでも、Windowsの設定を手動で変更すれば、ファイルの関連付けを変更することができます。 　ただし、ファイルの関連付けを変更する操作は少し高度なので、初心者はあまりいじらないほうがよいです。

そんなに難しいの？

難しいというよりは、トラブルの元になるのです。

トラブルの元？

ファイルの関連付けを変更すると、ダブルクリックした際に起動するアプリケーションが変わってしまいます。 　そのため、今まで使っていたアプリケーションで、目的のファイルが開けなくなることがあるのです。

え、それは困るわね。

さらに、ファイルの関連付けの変更に失敗すると、もっと大変なことになります。

関連付けに失敗？

例えば、その拡張子に関連付けたアプリケーションをアンインストールしてしまったり、そのファイルを開くことができないアプリケーションに誤って関連付けてしまった場合は大変です。 　その拡張子のファイルをダブルクリックしても開かなくなってしまうのです。

げっ、それは非常にまずいわね。

こういったトラブルもあるので、初心者がファイルの関連付けを変更しようとする場合は、十分に注意する必要があるのです。

うーん、私はやめておいたほうがよさそうね。

そうですね。 　そうしておいたほうが無難だと思います。

クラスメイトの関連付け

ねえ、窓太。 　やっぱり、関連付けって大切だと思うのよ。

あれ、めも理ちゃん。コピー用紙の束を持ってきて、何を始めるのですか？

先生にノート提出を求められたから、クラスメイトのノートを自分のノートに写すのよ。 　国語はあぷ理ちゃんのノートが一番よくて、数学はたすく君のノートが最高。そして英語はもに太君のノートが最もていねいよ。 　だから、コピーを取らせてもらってきたの。 　どう？　教科と担当者の見事な関連付け。

で、めも理ちゃんのノートは相変わらず白紙なわけですね。

当然よ。私の役目はWindowsよ。 　ユーザーの操作に応じて、拡張子に関連付けたアプリケーションでファイルを開くのが仕事よ。

はあぁ。 　勉強には脳味噌を全く使わないくせに、屁理屈だけには頭を使うようですね。

今回出てきた用語の解説

【ファイルの関連付け】　ダブルクリックしたファイルが、特定のアプリケーションで開くようにするWindowsの機能。拡張子ごとにファイルを開くアプリケーションが設定されており、通常はアプリケーションのインストーラーがWindowsの設定を自動で書き換えている。

（クロノス・クラウン：柳井 政和）