窓の杜 - 【めも理と窓太のパソコン講座】第101回：QRコードと学校の下駄箱

　あらあら、めも理ちゃん。今日は部室で暇そうにしています。

怠惰

　めも理ちゃん、今日はいつもにも増して暇そうですね。少しは勉強でもしたらどうですか。頭を全く使わないと馬鹿になりますよ。

　むっ、頭なら使っているわよ。そうそう、最近気になる言葉があるのよ。それでいろいろと頭を悩ませているんだけど、どういう意味か分からなくて。

　“QRコード”という言葉なんだけど。
　コードってつくからには、電源コードとかの仲間なのかなあと考えていたの。

　いや、違いますよ。そのコードではありません。
　そうですね、QRコードは、学校の下駄箱のようなものです。

　違いますよ。
　そうですね、あまりぼうっとさせておくのもよくないので、めも理ちゃんにQRコードの説明をすることにしましょう。

QRコード

　さてめも理ちゃん。学校の下駄箱は出席番号順に場所が決まっていますよね。この下駄箱の全部の靴を、もし出席番号順に横一直線に並べるとどうなりますか？

　そんなことをしたら、スペースを非常に取ってしまって邪魔になるるわよ。

　そうですね。だから、収納位置を縦横に配置して、効率よく靴を入れられるようにしているんですよね。

　この下駄箱と同じように、情報を縦横に配置して、効率的に格納しているのがQRコードなのです。

　そうです。QRコードは、バーコードをより便利にしたものと思えばよいです。
　バーコードは縦線を横に並べることで、情報を横向きに並べています。これに対してQRコードは、セルと呼ばれる四角い黒塗りを縦横に配置することで情報を縦横に表しているのです。
　縦横に情報を並べられるので、バーコードよりも多くの情報が狭い面積で格納できるようになっています。

　QRコードは、バーコードよりも情報が多く格納できるので、数字だけでなく、アルファベットや日本語の文章も格納可能なのです。

　QRコードは、バーコードよりもたくさんの情報を格納できるというのは分かったけど、ほかの特長は、なにかないの？　この機会なので、いろいろと教えてよ。

　QRコードは日本生まれの技術のため、コードの規格にJIS第一・第二水準の漢字が文字セットとして定義されています。
　そのため、全角かなや漢字1文字を効率よく表現できるのです。これを数字を挙げて説明しましょう。パソコンのテキストファイルでは、全角文字と呼ばれる平仮名、片仮名、漢字の1文字あたりの容量は、16ビットですが、QRコードでは13ビットで一文字を表現することができます。

　日本製だから、日本の文字を、ちょっとだけ少ない容量で表現できるのね。
　ほかは何かないの？　そんな地味な特長じゃなくて、もっとぱっと見てすぐ分かるような特長は。

　それでは、QRコードの外見的特長を説明しましょう。QRコードの見た目の特長は、切りだしシンボルと呼ばれる四角が2重になったマークです。

　QRコードは縦横に情報を詰め込めます。しかし、あまりにも情報を詰め込み過ぎると、このQRコードのどちらが上か下かぱっと見て分からなくなってしまいます。それをすぐに分かるようにしているのが、切りだしシンボルです。
　この記号が、四隅のうち3カ所だけに描かれているため、ついていない隅を右下と判断して、向きが分かる仕組みになっています。
　さらにこの切りだしシンボルのおかげで、360度どの向きからでも、きちんと情報を読み取ることが可能になっているのです。

　それでは最後に、QRコードで収納可能な情報量をまとめておきますね。
　QRコードでは多くの情報を格納できますが、情報の種類によって収納可能な文字数が異なります。以下の表を参考に、どのくらいのデータを収納可能なのか、覚えておくとよいですよ。

数字のみ最大7,089文字

英数字最大4,296文字

バイナリ(8ビット) 最大2,953バイト

漢字、全角カナ最大1,817文字

サンプル

お菓子の袋

　どうしたんですか、ダンボール箱などを部室に持ってきて。

　せっかくQRコードの話をしたんだから、QRコードが印刷されている目についた商品をいろいろと買ってきたのよ。

　なんだか小学校時代の社会の授業のようで楽しそうですね。

　それで、どんな商品があるんですか？　ダンボールをのぞいて見ましょう。
　うわっ、全部お菓子じゃないですか。

　そう。お菓子にもQRコードが印刷されているのがいっぱいあったから全部買って来たの。さー、食べるぞ。

今回出てきた用語の解説

【QRコード】　二次元バーコードの一種。最近では携帯電話のカメラ機能で読み取れることが多い。また、アプリケーションの機能として、QRコードを作成・表示したり、印刷したりできるパソコン用やWeb上のアプリケーションも存在する。