　そうです。例えば、文字を入力させる領域を表示させたり、表計算ソフトのように表組みをグリッド表示させたり、HTMLを表示させたり、暗号化をさせたりなど、アプリケーションを開発する場合は、いろんなアプリケーションで何度も利用されるような部分があります。
　こういった部分を、毎回ゼロからプログラムを書くのは非常に大変です。いうならば、スポンジケーキを作るのに、小麦の栽培から始めるようなものです。

　うわっ、面倒そうね。スポンジケーキなんて、時間がないときには、スーパーでも売っているから買ってくれば終わりなのに。

　そうですよね。プログラムを書く人達もみんな同じように考えていたのです。そして、よく使うような部分は、部品としてあらかじめ作っておき、その部品を利用できるようにしたほうが便利だと悟ったのです。
　このアプリケーションを作るときに利用する、プログラムの部品のことを、コンポーネントと呼ぶのです。

　へー、ケーキを様々な部品を組み合せて作るようなものね。

　そうです。コンポーネントというのは、アプリケーションを開発する際の、アプリケーションの部品、つまりケーキにおけるスポンジケーキのようなものなのです。

　なるほどね。コンポーネントというのは、アプリケーションを作成するときの部品のことだったのね。ケーキでいうならば、ケーキを作るときのスポンジケーキのようなものというわけね。
　それじゃあそのコンポーネントのなかでも、IEコンポーネントと呼ばれるものは、一体どういうものなの？

　では、めも理ちゃんに質問です。IEコンポーネントの“IE”は何を指しているか分かりますか？

　IE？　パソコンの話なら、「Internet Explorer」の略じゃないの？

　そうです。IEコンポーネントとは、アプリケーションから「Internet Explorer」の機能を利用できるようにした部品のことなのです。
　「Internet Explorer」が行っている、Webページを表示する機能を、コンポーネント、つまり、部品のように利用できるのがIEコンポーネントなのです。

　「Internet Explorer」のコンポーネントだから、IEコンポーネントというわけね。

　そういうことですね。
　さて、HTMLタグを使って書かれたHTMLファイルを読み込んで、いわゆるWebページを表示させる処理は、ゼロからプログラムを書くと非常に時間がかかる作業です。そこで、その手間を省くために、HTMLファイルをWebページとして手軽に表示できるIEコンポーネントがよく利用されるのです。
　Webページを表示させるアプリケーション、例えばタブ切り替え型Webブラウザーなどには、このIEコンポーネントを利用しているものが多いですよ。

　へー、IEコンポーネントを利用しているアプリケーションというのは、「Internet Explorer」を利用したアプリケーションのことだったんだ。

　そうです。なので、「Internet Explorer」にセキュリティーホールが発見された場合は、IEコンポーネントを利用しているアプリケーションにも、同じようにセキュリティーホールがあることになるのです。

　なるほど、だから先輩は注意が必要だよと言っていたのね。

　そういうことです。