めも理と窓太 登場人物紹介

　窓の杜高校、超パソコン部の部室。

　あらあら、めも理ちゃん。今日は何かを必死に組み立てているようです。

　一体、何を作ろうとしているのでしょうか？

組み立て

うーん、これをここにくっつけて、これはこっちで……。

あれ？　どうしたんですか、めも理ちゃん。 　机の上に細かいものを広げて、さらに本をじっとにらんで。……何か作っているのですか？

プラモデルを作っているのよ。

へー、じゃあこの細かいのは部品で、本は組み立て説明書ですか。

そうよ。

でも、なぜ急にプラモデルなんかを作り始めたのですか？

先輩がプレゼントしてくれたのよ。 　だから作らないのも先輩に失礼かと思って、必死になって組み立てようとしているんだけど、これがなかなか難しくて。 　これをこうやって、ここにくっつけて。説明書どおりにやると、こうなって……。

へー、まるで“アルゴリズム”を実行しているみたいですね。

はっ、アルゴリズム？　バイオリズムの親戚？

えー、違いますよ。そうですね、アルゴリズムは、その組み立て説明書のようなものですよ。

ふーん、どんなリズムなの？

えーと、そうですね。これは少し詳しく説明したほうがよさそうですね。

アルゴリズム

めも理と窓太の4コマまんが 「アルゴリズム」

さて、それではめも理ちゃんに質問です。 　プラモデルの組み立て説明書には、どういうことが書いてありますか？

そうね。まず最初に部品の一覧が載っているわ。 　そしてどの部品とどの部品をくっつけて組み立てていくかが、図入りで書いてあるわね。 　それから、完成するまでその組み立て方法が続いているわ。

つまり、決められた部品を決められた手順で処理する方法が書かれているのですよね？

そうとも言えるわね。

実はコンピューターの世界にも、同じようなものがあるのです。

プラモデル？

ではなくて、組み立て説明書のほうです。

へー。それは、どんなものなの？

パソコンのアプリケーションでは、さまざまなデータを処理して、一定の結果を出すことが多いです。 　そしてそういった処理方法には、決まった手順があります。

それは例えばどういったもの？

圧縮の手順や解凍の手順。「MS Excel」のリストを並べ換える手順やデータの検索。暗号化やその復号化などもそうですね。 　こういった一定の手順で行う処理が、パソコンではたくさんあります。 　圧縮・解凍がどのようなことを行っているかは、昔の説明を思い出して下さいね。

□窓の杜 - 【めも理と窓太のパソコン講座】第14回：圧縮・解凍と漢字の練習 http://www.forest.impress.co.jp/article/2003/02/10/madota14.html

また、リストを並べ換える手順については、めも理ちゃんも簡単に想像がつくと思います。 　クラスで集めたアンケートなどを、出席番号順に並べ直すときは、1枚ずつ名前を確認して、順番が違っていたら入れ替えていきますよね。

そうね。

こういった並べ替えも、一定の手順で行える処理です。

そう言われてみればそうね。

このような一定の処理手順のことを、コンピューターの世界ではアルゴリズムと呼ぶのです。 　アプリケーションによっては、この処理手順であるアルゴリズムが多数組み込まれています。 　そして、このアルゴリズムどおりに処理を実行しているのです。

なるほどね。 　コンピューターで扱われるデータは、プラモデルの部品にあたり、アルゴリズムは組み立て説明書にあたるわけね。

そうです。そして、組み立て説明書どおりに部品を組み立てるように、アルゴリズムどおりにデータを処理するのです。 　アプリケーションは、アルゴリズムどおりに処理を行って、さまざまな仕事をうまくこなしているのです。

プラモデル完成

できたー！ 　ねえ見て窓太。組み立て説明書どおりに、ばっちりプラモデルが完成したわよ！

へー、立派な落武者ができましたね。 　このボロボロになっているところとか、よく雰囲気が出ていますよ。

ぶすーっ。

どうしたんですか、めも理ちゃん？　不機嫌そうですね。

これは、ロボットよ。

えー、そうだったんですか!?

よく見なさいよ！

はぁ、せっかくきちんとしたアルゴリズムが用意されていても、実行するのがめも理ちゃんではだめですね。

今回出てきた用語の解説

【アルゴリズム】　コンピューターに一定の仕事をさせるための処理手順。圧縮の手順、解凍の手順、リストを並び換える手順、データの検索、暗号化やその復号化など、多種多様なアルゴリズムが存在する。

（クロノス・クラウン：柳井 政和）