めも理と窓太 登場人物紹介

　窓の杜高校、超パソコン部の部室。

　あらあら、めも理ちゃん。今日は部室をぶらぶらしているようです。

　一体、何をしているのでしょうか？

IME

あっ、窓太いいところに来たわ。最近疑問に思っていることがあるのよ。

何ですか？　宿題以外なら答えますよ。

“IME（アイ・エム・イー）”って何？　時どき名前がでてくるんだけど、いまいち何のことだか分からないのよ。

IMEは、国語辞典を持った執事のようなものですよ。

国語辞典を持った執事？　何だか恐そうな執事ね。下手なことをしたら、その辞典で殴りかかって来そうね。

そんな武闘派の執事はいませんよ。めも理ちゃんはいつも変な妄想をしますね。それじゃあ少し、IMEについて解説することにしましょう。

国語辞典を持った執事

めも理と窓太の4コマまんが 「IMEと執事と国語辞典」

さて、めも理ちゃんが大金持ちの御令嬢だったとします。そして、めも理ちゃんには有能な執事がついているので、自分でペンを取って文字を書かなくてもよい環境だとします。

それはうれしい環境ね。それに、そんな有能な執事がいると助かるわ。

そうでしょうね。めも理ちゃんは字を書くのも面倒そうですからね。 　さて、めも理ちゃんが自分のノートに文章を記入したいとします。そのときめも理ちゃんは、執事に向かって『きょうのてすとはひゃくてん』と言います。 　それを聞いた執事はその言葉を聞いて国語辞典を素早く引き、どのようにノートに書けばよいのか、候補を何個かメモに書き、めも理ちゃんに見せてくれます。 　例えば、『今日のテストは100点』『今日のテストは百点』『今日のテストは百店』などといった感じです。

うわーっ、楽ね。

それを見ためも理ちゃんが『“今日のテストは100点”がよくってよ』と答えると、執事はそのとおりにノートに文章を書いてくれます。

最高じゃない！

この執事はノートに文章を書くときだけでなく、黒板に文章を書くときも、部室の掲示板に文章を書くときも、いつでもめも理ちゃんの言った言葉を素早く日本語の文章として判断して、どのように書くか候補を示してくれます。 　どうですか？　こんな執事がいたら便利ですか？

メチャクチャ便利よ！　私もこんな執事一人ほしいわよ！

実はめも理ちゃんはもうこんな有能な執事を召抱えているのです。

うそっ！　いつのまに私はそんな大金持ちに？　ねえ、どこにいるのその執事は？

その執事の名前はIMEといいます。

IMEって、私が名前を聞いたIMEのこと？

そうです。先ほど説明した執事と同じように、Windowsではいろんなアプリケーションで日本語を入力する際、IMEという名の辞書を持った執事が活躍してくれるのです。 　IMEは、キーボードから文字を入力すると、素早く日本語を表示して、さらに辞書を検索して変換の候補を表示してくれます。IMEは、どのアプリケーションで日本語を入力するときも、めも理ちゃんに、いつもつきしたがう執事のように、日本語入力を助けてくれるのです。

へー、IMEって辞書を持った執事のことだったんだ。

さらに、IMEはこの辞書を使った変換を効率的にするために、様々な技を身につけているのです。

技？　なんだか達人の執事なのね。例えばどんな技を使えるの？

そのパソコンのユーザーがこれまで選択した候補を記録して、最も選びやすい候補を最初に表示してくれる技を使ったり、長文を一発で変換する技を使ったり、ユーザー独自の辞書を作ったりする技が使えます。 　最近のIMEでは、変換候補を示すときに同音漢字がある場合は、それぞれの漢字の用例まで表示してくれますよ。

なかなか優秀な秘書ね。この秘書がいれば、私も簡単に文章を書けるわ。

漢字の書き方

ブスッ

どうしたんですかめも理ちゃん。ぶ然とした顔をして。

国語のテストで0点を取ったのよ。

何でまた。

いつもパソコンでIMEに頼りっぱなしだったから、漢字の書き方を忘れたのよ。ああ、パソコンの外にもIMEを連れ出したいわ。

えー、人に頼ってばかりでなく、自分で努力することも学んで下さいね。

今回出てきた用語の解説

【IME】　“Input Method Editor”の略。日本語入力時に、各ウィンドウの入力領域にキーボードから文字を入力し、さらに簡単な操作で変換候補を表示してくれるアプリケーション。

（クロノス・クラウン：柳井 政和）