.
【第11回】
ショートカットと置き手紙
(03/01/20)
窓の杜高校、超パソコン部の部室。
あらあら、めも理ちゃん。今日は部室にいないようです。
一体どうしたのでしょう?
探さないで下さい……。
|
さあ、そろそろめも理ちゃんが部室に来ている頃ですね。どれどれ……。いないみたいですね。どこに行ったのでしょう。
あれ、先生が部室に入ってきました。
|
|
やあ、窓太君。めも理君は部室にはいないのかね。
|
|
え~、ちょっと待って下さい。いつも、この時間にはいるんですが。あれ、こんな所に置き手紙が。どれどれ。『探さないで下さい。保健室に行きます』
どうやら、めも理ちゃんは保健室にいるようです。多分、昼寝でもしているのでしょう。
|
|
ありがとう、助かったよ。彼女は補習をサボって逃げ出したので、探していたところなんだよ。
|
|
やれやれ、めも理ちゃんには困ったものです。
|
――1時間後
|
窓太! なんで先生に保健室の場所を教えたのよ。おかげで、こっぴどく叱られたわ!
|
|
いや、まあ、ショートカットが置いてありましたからね。
|
|
ショートカット? 何それ?
|
|
いい機会ですから、ショートカットについてお勉強しましょう。
|
|
何か、はぐらかされているような気がするわ!
|
ショートカットとは
|
めも理と窓太の4コマまんが 「ショートカット」 |
|
それじゃあ、少し時間を戻してみましょう。ちょうど、めも理ちゃんが置き手紙を書いている頃です。
|
|
いいわよ。時間をさかのぼるのね。
よーし、部室に先輩が置いているタイムマシンを使ってタイムワープよ! スイッチオン!
|
――1時間半前
|
よーし、補習を逃げ出せたわ。
さあ、保健室に行こうかしら。先生が来たらいけないので、探さないで下さいと書いておかないといけないわね。『探さないで下さい。保健室に行きます』これでよしっと!
さあ、保健室で寝ていよう。
|
過去のめも理、保健室に去る。
|
過去の私が保健室に行っちゃったわね。
しかしよく考えたら、隠れるつもりだったのに、自分の居場所を書いているなんて、私っておバカさんね。
|
|
そうです。おバカさんです。
このように、どこに本人がいるのかを書いた紙があると、本人を探すのが簡単です。
|
|
ええ、おかげで、すぐに先生に見つかったわ。
|
|
パソコンでも同じように、どこに実際のファイルがあるかが書かれている置き手紙のようなファイルがあるのです。それをショートカットと呼びます。Windowsでは、ファイルのアイコンの端に、矢印が付いているファイルがショートカットになります。
このショートカットのアイコンをダブルクリックすれば、そのファイルが実際にある場所を探し出して、そのファイルを開いてくれるのです。
|
|
ちょうど、私の置き手紙を見て、保健室に先生がやってきて、私を補習に連れ去ったように?
|
|
そうです。このショートカットを使えば、実際にショートカットが置かれている場所にファイルがなくても、ファイルを直接開くのと同じように、ほかの場所にあるファイルを開くことができます。
だから、よく使うファイルは、デスクトップにショートカットを作って置いておくと便利なわけです。アプリケーションのショートカットだって作れますよ。
|
|
そう言えば、みんなもデスクトップにやたらとこういった矢印のついたアイコンを置いているわね。
|
|
それがショートカットなのです。これさえあれば、どこにファイルを置いているのかわざわざ覚えておかなくても、すぐにファイルを開いたり、アプリケーションを起動したりできます。
|
|
つまり、私がどこにいるか分からなくても、置き手紙に書いている場所を見れば、すぐに私を見つけられるのと一緒ということなのね。
はあ~、バカなことをしたものだわ。
|
|
いつものことじゃないですか。
|
――元の時間に戻る
反省
|
今回のことで、1つ大いに勉強したことがあるわ。
|
|
ショートカットのことですか?
|
|
違うわ、置き手紙のことよ。今後、置き手紙には場所を書かないようにするわ。これで完璧よ!
|
|
あんまり意味がないと思いますよ。
|
|
何でよ! 私の完璧な作戦にケチをつける気!
|
|
どうせ保健室で寝ているか、お菓子を買いに行っているだけですから。
|
|
うぐぅ。言い返せない。
|
今回出てきた用語の解説
【ショートカット】 あるファイルやアプリケーションが、パソコンの中のどこのフォルダにあるかを示しているファイル。このファイルをダブルクリックすることで、このファイルに書かれている場所のファイルやアプリケーションが実行される。
Windowsではショートカットのアイコンの左下には、矢印のような記号がつく。
【デスクトップ】 パソコンの画面で、他のウィンドウに対して一番奥にある、背景部分にあたる画面。よく使うファイルや、そのショートカットを置いておくことが多い。このようにファイルなどを置いて作業する“机の上”として見立てたところからこの名前が付いた。自分の好みの画像を、壁紙として設定することもできる。
ちなみに“デスクトップ・パソコン”とは、机の上に置いて使うパソコンという意味で、ここでいう“デスクトップ”と直接的な関連はない。“デスクトップ・パソコン”と対比される“ノート・パソコン”の画面でも“デスクトップ”と言う。
(クロノス・クラウン:柳井 政和)