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【第40回】
2進数とめも理のテスト
(03/09/08)
窓の杜高校、超パソコン部の部室。
あらあら、めも理ちゃん。テストを握り締めて暗い顔をしています。
一体、何点を取ったのでしょう?
テストの点数
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めも理ちゃん、今日のテストの結果はどうでしたか?
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10点だったわ。
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この前は1点。その前は11点。その前は10点。めも理ちゃんのテストの点数はまるで“2進数”ですね。
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2進数って何よ。……説明しなさい……。
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え~、めも理ちゃん大丈夫ですか? 説明しますから落ち着いて下さいね。……大丈夫かなあ。
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数の数え方
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めも理と窓太の4コマまんが 「本能」 |
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それでは、説明しますね。めも理ちゃん、1から順番に数を数えるとき、どのように数を数えますか?
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1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11……といった感じよ。
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9の次は10と桁が1つ上がりますよね。
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10で桁が1つ上がって、100、1,000でさらに桁が1つ上がるわね。“10”、“10×10=100”、“10×10×10=1,000”で桁が変わるのよね。
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そうです。こういった10の累乗で桁が上がる数字の数え方を、“10進数”と呼ぶのです。
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累乗?
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同じ数を何回もかけ合わせることを累乗と呼ぶのです。ちょっと数直線で表してみましょう。
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10が基準になって、桁が増えていくのね。じゃあもしかして、2進数って、2が基準になって桁が増えていくの?
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そうです。テストの点数は低くても、めも理ちゃん今日は冴えていますね。
それでは、2進数も数直線で表してみますね。
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何だかすごい勢いで桁が上がっていくわね。2で桁が1つ上がって、“2×2=4”でさらに桁が1つ上がるのね。こんなに桁がどんどん上がっていったら非常に数えにくそうね。
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そうですね。人間には数えにくいですね。
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人間には?
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めも理ちゃんは数字を数えるときにはどうやって数えますか?
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そうね、指折り数えるわ。
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じゃあ、めも理ちゃんの指は何本ですか?
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10本よ。
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人間の指は、多くの場合10本なので、10を基準に桁が上がっていく方法が数えやすいのです。
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じゃあ、2進数ってどういう人が使うものなの?
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これは、コンピューターが数を数えるときに使う方法なのです。
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コンピューター? じゃあ、コンピューターは、指が2本しかないの?
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コンピューターに指はありませんよ。でも、その考え方は近いですね。
コンピューターは、データをメモリやハードディスク上に置いています。このデータを読み取るときに、メモリやハードディスク上のデータを、2進数として見るのです。
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2進数として見る? どういうことなの?
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分かりやすく例を挙げて説明しますね。コンピューター内では、データの1つずつがコップに入っている水で表されていると思って下さい。データは無数に並んでいるコップに入っている水の量で示されています。このコップ1つが、1つのデータになります。
このコップの中身を、10進数の1つの桁として見たらどうなりますか?
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コップの中を10等分して、どの位置に水があるか見ればコップの中の水で10進数を表せるわね。
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そうです。でも、これは非常に確認しづらいやりかたです。
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なんでなの?
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毎回コップの中の水が、どのくらいの量あるのか、詳しく確認するのは大変だからです。
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そう言われればそうかもね。じゃあ、2進数だとどうなるの?
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多いか少ないかだけを確認すれば、よくなります。つまり、水の量ではなく、水の有無で見ていくわけです。これなら、簡単に判断できますよね。
2進数では水がある一定量より少ない場合は、水が無いとみなして0と、一定量より多い場合は水が有るとみなして1と読みます。
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なるほど、単純ね。
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この方法なら、非常に簡単にデータを確認することができます。コップの中の水を10段階で確認するより、2段階で見る機械を作る方が簡単ですよね。コンピューターでは、製造上簡単だということで、2進数のデータの見方を採用しているのです。
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つまり、人間にとっての指の数、10本の代わりに、コンピューターでは、多いか少ないかという2つの値を、数を数える場合の基準にしているというわけね。
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そうです。人間にとっては10進数が数えやすいですが、コンピューターには2進数が数えやすいのです。この2進数を数字で書くと、0,1,10,11,100,101...という書き方になるのです。この数字が、ちょうどめも理ちゃんのテストの点数みたいになっているというわけです。
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うぐぅ、確かにそうね。
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脱2進数
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脱“2進数みたいな点数”のために、今回のテストはまじめに勉強するわ。
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珍しいですね。でもよいことだと思いますよ。
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――テスト後
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テストの結果はどうでしたか?
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100点だったわ。
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すごいじゃないですか。
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ええ、すごいわ、全教科の合計点が100点だったのよ。
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えー、本当に勉強したのですか?
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今回出てきた用語の解説
【2進数】 2の累乗ごとに、桁が上がっていく数字の数え方。
【10進数】 10の累乗ごとに、桁が上がっていく数字の数え方。このほかよく使う進数としては、他に12進数(1ダース、2ダース)や、60進数(時間)などがある。
(クロノス・クラウン:柳井 政和)
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